がんの健診費用を補助する「まもーる」と がんのリスク検査「Noah」について – 利用法と考えておくべきポイント –

がんのリスクを調べる検査「Noah」と、がんのリスクが高いと判定されたとき、健診費用を負担してもらえる「まもーる」というものがあるのをご存知でしょうか。少し角度を変え、利用者の立場から検査と制度を考えてみましたので、ご覧下さい。

がんリスク検査「Noah」について

5-ALAは非常に面白い作用を持った物質です。
がん細胞に取り込まれやすく、鉄と結合する前のプロトポルフィリン(PpⅨ)と呼ばれる形でがん細胞に溜まります。
このプロトポルフィリン(PpⅨ)に青い光を当てると、青い光が赤く見えるのです。
この作用を利用し、脳腫瘍や膀胱癌などの切除範囲を決定する診断法として実際に臨床応用されています。

このような特性を持っている5-ALAを服用し、尿中へ排泄されるプロトポルフィリン(PpⅨ)の光学的反応をみることにより体内にある癌の存在を推測する方法に「Noah」という検査があります。


「Noah」というのは、Non-invasive Onco-risk Assessment for Healthの略だそうです。
これを訳すと、健康のための非侵襲的な癌リスクの評価ということになります。
確かに、試薬を飲んで尿を検査に出すだけなので、非侵襲的な検査です。
この検査のポイントは、癌のリスクを正しく評価することが出来るかどうかだと思います。

「Noah」の検査では、細胞の酸化マーカーとして利用されている8-OHdGの測定も同時に行います。
しかし、年齢とともに細胞が酸化の傾向を示すのは自然の成り行きで仕方ありません。


この8-OhdGの測定結果と、プロトポルフィリン(PpⅨ)の光学的反応の結果とを合わせ、総合的に癌のリスクとして段階的にA・B・Cと評価されます。
測定値がどの程度であれば、どの段階に評価されるのかは分かりませんが、総合評価の判定には悪かった方の評価が採用されるのではないかと思われます。
8-OhdGの測定結果についてだけ考えれば、高齢になるに従い結果が悪くなるのは免れないでしょう。

「Noah」検査で、がんリスクが高いとされるC判定を受けた方の内、どの程度の割合で実際に癌と診断された方がいたのか確かめるべく、「まもーる」代理店取次店担当者の方へ伺いました。

問:「Noah」のC判定を受けた方の内、どの程度の割合で実際に癌と診断された方がいましたか?
答:確定診断に至ったか否かに関しては公式に発表されていないため分かりません。

という回答でしたので、ハイリスクと判定された内、実際に癌だと診断された方の実数は把握していないようです。
確かに、実数を把握するのは個人情報の問題もあり難しいとは思います。
しかし、癌になるリスクと癌になった方の実数との相関を調べることで、単にリスクがあるというだけよりも、もう少し具体的な分析ができるはずです。
調査は非常に煩雑かも知れませんが、是非とも癌患者の実数を調査し、公表することで「Noah」検査の有用性を示すことに繋がるだろうと思います。

これとは逆に「Noah」検査で癌のリスクが少ないと判断された方にも、全く癌が無いと安心できる訳ではありません。
低リスクの判定と診断された内、実際に癌だと診断された方もいらっしゃるようですが、その実数も把握されていないようです。
しかし、こちらはハイリスクと判断された方の内、癌と診断された患者数の統計を出すより、更に難しい作業になるでしょう。


癌の早期発見に繋がるので安心だと考えるのか、不安を残すだけなので弊害だと考えるのか、その判断は分かれるところです。

ちなみに、「リスク検査Noah についての注意事項」がパンフレットに小さく記載されていますので、以下にご紹介致します。

検査の目的
リスク検査「Noah」(以下、当検査)では、健常者とがん患者から得られた尿中のアミノレブリン酸代謝関連物質と酸化ストレスマーカーの解析値(基準解析値)と受検者の解析結果を照らし合わせ、リスクの度合いを情報として提示します。体内環境におけるリスクを把握することで、健康診断、精密検査などのメディカルチェックや疾患予防への対策検討等への参考として利用する検査となります。診断を目的として実施する画像解析や血液・生化学検査等に代わるものではなく、体内にがんがあるかどうかを判断する検査はではありません(がんの診断にはがん種ごとに定められているガイドラインに基づく診断が必要となります)。

当検査の限界
当検査は、リスク発生が発生している組織の状況や、血流の状態、周辺組織の細胞環境の状況により、尿中に排出される評価指標の量に影響する場合があります。また、細胞代謝機能に影響する可能性のある特定の医薬品・生薬、健康食品の成分等により細胞代謝に影響する場合もあります。注意事項記載のとおり、生活習慣病(がん・糖尿病・高血圧など)をはじめとする複数の疾患への罹患、服薬物の有無により、参考評価となる場合があることをご理解ください。

健診費用を助成する「まもーる」について

1:「まもーる」の概要

この「Noah」の結果をもとに、がんのリスクが高いと判定された方に自由診療分(上限20万円まで)の検査を行うことが出来る「まもーる」という商品があります。

生命保険のように保険金が出る訳ではありません。
この「まもーる」という商品は、健診費用を上限20万円まで援助して貰えるという制度です。
20万円までの私費診療で何を調べて貰うべきか、その検査の内容が問題になります。
世の中には、多種多様な臨床検査が存在します。
その中で、癌に関連した検査を選択するにしても、私費で検査を受けるとなると20万円では余りに少額かも知れません。
どこの癌だと分かれば、まだ方法があります。
全体を網羅しようとするから難しくなります。
検査費用を補助する制度なので、費用の足しにするという認識が必要です。

癌のリスクを調べ、リスクが高ければ様々な検査を行い、もし何か早期の癌が見つかれば非常に幸運だと思います。
しかし、リスクが高いので様々な検査を受け、何も見つからなかった場合は、不安だけが残ることになります。

65歳を超えると「Noah」の結果で高リスクと判定されても、シニアライトプランでは健診補助を受けることが出来ません。
65歳から74歳までのシニアスタンダードプランであれば、20万円までの健診補助が受けられるのですが、年会費で支払うと、68000円ほど、月会費で支払うと月々6000円以上ほどになります。
当然ですが、今までに癌と診断されていない方でなければ契約の対象になりません。
20歳から64歳までの方で癌の診断を受けたことがない方は、一律スタンダードプランとなり、年会費だと50000円ほど、月会費だと月々4300円ほどの支払いになります。

癌は最も気になる病気です。
40歳を過ぎれば、癌を気にしない方はいないでしょう。
判定結果は漠然としていますが、自宅で比較的手軽にできる癌のリスク検査法として「Noah」はある程度、役に立つのではなかろうかと思います。
そこで、「まもーる」という健診補助制度の商品と、検査で使われる「Noah」について少し気になる点を、代理店取次店担当者の方へ質問してみました。

問:「まもーる」契約後、直ぐに「Noah」の検査ができますか?
答:申込と同時に検査申し込み可能です。

問:契約後、「Noah」の検査を受けて直ぐに解約できますか?
答:解約は可能ですが、検査を受検している場合清算金が発生します。

つまり、月払いで契約しても、年間契約費用分の清算が必要になるということです。

問:「Noah」の検査がC判定の場合、検査費用20万を貰い解約できますか?
答:がんドック受診サービスは会員継続中が条件です。20万円の支給ではなく、「まもーる」はがんドック受診サービスです。

つまり、現金を支給するのではなく、健診の費用を一部負担して貰える商品であるということ。
そして、月払いの契約では、途中で解約した場合に健診費用を負担して貰えない場合が発生する。
ということのようです。

2:捉え方や考え方 – 利用するにあたってのポイント

代理店取次店担当者の方によると、「Noah」の検査は比較的、高リスクという判定が出やすいようです。
高齢になればなる程、慢性疾患がいくつも増えるでしょうし、C判定が出る確率も上がります。

先程、ご紹介した「Noah」検査の注意事項の続きの続きに、検査に影響をおよぼす要因というものが書かれていました。

がん治療中の方、大腸ポリープ、逆流性食道炎(バレット上皮)、前立腺肥大、前立腺炎、高脂血症、肝機能異常、甲状腺機能異常、子宮頸部異形成、子宮内膜症、卵巣囊腫、その他の前がん病変とされる疾患に罹患されている方、がんの外科切除・内視鏡切除等を施行されて間もない方は、がんに罹患していなくてもリスクランクが高くなる場合があります。それ以外でも、尿への血液の混入(泌尿器系疾患による血尿や女性の生理期間中の採尿による経血の混入など)により、リスクが高くなる場合があります。お酒を飲んだ場合、また、一部の医薬品
やサプリメント、発酵系の食品などを飲んだ場合にもリスクが高くなる場合があります。

と記載されているのは、様々な要因でC判定が出るということです。

しかし、また一方では、血流に乏しいがん組織の場合や、治療用途の鉄剤、大量のビタミンCなどの抗酸化サプリメントや、一部の医薬品を飲まれた方などは、がんに罹患されていてもリスク値が低値となる可能性があります。また、ALA カプセルの飲み方や、採尿方法、検体保管を手順書と異なる方法で行われた場合にも正しい評価結果を得られない場合があります。

とも記載されていますので、「Noah」の検査を行う時は、数日前からサプリを飲まない様にした方が良いでしょう。

これから述べることは、ひとつの考え方であり、不謹慎な考え方かも知れません。
しかし、物事には人それぞれ考え方の違いがありますので、このような捉え方もあるのだと思ってご覧下さい。

C判定が出れば20万円まで健診費用の補助が出るので、
20万円 – 加入した年会費 = 健診費用が得になる分
と考えて良いのではないでしょうか。

例えば、20歳から64歳までの方でスタンダードプランに加入している場合、C判定が出ると
およそ 20万円 – 5万5千円 = 14万5千円 健診費用が得になる。
65歳から74歳までの方でシニアスタンダードプランに加入している場合、C判定が出ると
およそ 20万円 – 6万9千円 = 13万1千円 健診費用が得になる。
ということになります。

AやBの判定が出た場合、健診費用は一切出ません。
「まもーる」では、C判定にしか健診費用の援助がでないように定めています。

次年度の再度加入については、考え方に個人差があるかも知れません。
C判定が出た方は、また次に受ける「Noah」の検査でもC判定が出る可能性が高いと思われます。
そこで、また次年度の加入で健診費用を捻出しようと考える方もいれば、同じ結果が出るのであれば何度やっても仕方ないと考える人もいるはずです。
人間ドック並みの健診を毎年受けるような方であれば、次の契約をしないと考えるより、健診費用をある程度出して貰い、少し細かな健診を毎年受けみようと考える方が絶対有益だと思います。
ちなみに、契約を継続した場合、満年齢74歳までなら連続して5年間は続けることが出来るようです。

おわりに

さて、「Noah」と「まもーる」について気になった点を含め、利用する上での考え方などを述べて来ました。
「まもーる」のサービスは、健診費用の援助だけではなく、病気の相談が出来る窓口や様々なサービスがあります。
これをお読みになり、加入を検討してみようとお考えの方は是非、下記のバナーをクリックして下さい。

がん予防メディカルクラブ「まも~る」

舘内記念診療所

!このページのコンテンツは全て医学博士 安部英彦・院長 医師 安部公崇の監修に基づいて執筆・制作されております。