飲酒量とがんのリスクについて – 純エタノール換算でアルコールは1日23gまで

2023年、あっという間に師走です。コロナ明けの一年、慌ただしく過ぎたように思います。3年ぶりの年末年始で、これから年明けまで忘年会や新年会など、予定が目白押しではないでしょうか。宴会にはお酒が付きものです。耳障りかもしれませんが、お酒の飲み過ぎは肝臓に悪いというだけではありません。一定の飲酒量を超えると、がんになるリスクが高くなるのです。

「国立がんセンターが運営する公式サイト」で「科学的根拠に基づくがん予防 / がんになるリスクを減らすために」というページ(更新・確認日:2023年04月07日)があります。がんと関連している生活習慣について調べたものです。

今回はその生活習慣の中でも忘年会・新年会には欠かせないお酒について、飲酒とがんの関連性を特に述べてみたいと思います。

下の図は、日本人のがんで、生活習慣や感染症が原因であると思われる割合をグラフにしたものです。

「全体」の項目に示されている、男性のがんの43.4%、女性のがんの25.3%は、生活習慣や感染症が原因でがんになったと考えられています。

感染症とは、ヘリコバクター・ピロリ菌やヒトパピローマウイルス、肝炎ウイルスなどの感染を総称したものです。

                 日本人におけるがんの要因

Inoue M, et al. Burden of cancer attributable to modifiable factors in Japan in 2015. Glob Health Med. 2022; 4(1): 26-36. より作成したもの

がん情報サービスの「科学的根拠に基づくがん予防 がんになるリスクを減らすために」より引用

※棒グラフ中の項目「全体」は、複数のリスク要因が組み合わされてがんになった場合を調整しているため、各項目を単純合計した値ではありません。

さすがに喫煙の第一位は、異論を唱える余地がありません。肺がんは勿論のこと、食道がんや膀胱がんなどとの因果関係が認められています。感染症は、ご存知のように胃がんや子宮頸がん、肝臓がんなどの要因となります。

今回のテーマとした飲酒は、肝細胞がん、食道がん、大腸がんと強い関連があり、女性では乳がんのリスクが高くなることが分かっています。女性の方が男性よりも体質的に飲酒の影響を受け易く、女性の方が男性より少ない飲酒量でもがんになりやすいといわれているのです。

日本人男性を対象とした研究から、1日あたりの平均アルコール摂取量が、純エタノール量換算で23g未満の人に比べ、46g以上の場合で40%程度、69g以上で60%程度、がんになるリスクが高くなると報告されているようです。

毎日、浴びるほどお酒を飲む方はいないと思いますが、お酒を飲むときは出来るだけ、純エタノール量換算で1日あたり23g程度までとし、飲めない人は無理に飲まないように致しましょう。

ビール大瓶(633ml)1本
日本酒1合
ワイングラス2杯程度
焼酎・泡盛原液で1合の2/3
ウィスキー / ブランデーダブル1杯

がん情報サービスの「科学的根拠に基づくがん予防 がんになるリスクを減らすために」より引用

舘内記念診療所

!このページのコンテンツは全て院長 医学博士 安部英彦の監修に基づいて執筆・制作されております。