遣ってはいけない代返依頼 知らない授業は無理

卒業・入学の季節です。
桜咲く頃は、お祝いのご家庭も多いことと思います。
学生さんは環境も変わり、勉強だけでなく、いろんな経験をする時期でもあります。
私は学生時代、笑うに笑えない失敗があります。
反面教師としてご覧下さい。

当時、下宿をしていました。
ドイツ語の授業当日、どうしても別の用事が出来てしまいました。
遣っては成らないことですが、下宿の後輩に代返(出席点呼の際、代わりに返事をすること)をお願いしたのです。
彼は他学部の学生でした。
ドイツ語を学んだこともありませんし、興味すらありません。
しかし、とても気の良い若者です。

「ちょっと、お願いあるけど良い?」
「あ、良いですよ。何でも言って下さい。」
事情を説明すると、
「分かりました。行って来ます。」 と二つ返事で了解。
教室の場所と時間をメモして渡し、私は急な用事を済ませに出掛けました。

代返だけ済ませ、教室を抜け出して貰えれば良かったのです。
しかし、何が気に入ったのか、彼は何も知らないドイツ語の授業を受けた事から間違いが始まりました。

「Der. Des. Dem.・・・」単語の発音を全員で復唱している時です。
ふと先生が何かを思い出し、「あのね・・・」と言って間をあけました。
すると、それまで調子よかった彼は得意になり、すかさず「アノネ~」と大きな声で反唱してしまったのです。
教室は静まりかえり、先生も驚いたのでしょう、そのまま沈黙が続いたということでした。

一番困ったのは、当然私です。
ドイツ語の単位を落とすことはありませんでしたが、以来暫く、その授業に顔を出すのはバツが悪くなりました。
それを期に、代返の依頼を一切止めたのは言うまでもありません。

!このページのコンテンツは全て医学博士 安部英彦・院長 医師 安部公崇の監修に基づいて執筆・制作されております。