インフルエンザワクチン接種は早めに インフルエンザの諸々

インフルエンザの季節になりました。
毎年、冬から翌年の春まで流行します。
ご存知のようにインフルエンザの語源は、イタリア語で「Influenza」、ラテン語で「Influentia」、意味は「影響」です。
中へ流れ込むという概念で、占星術で「星が流れ込んだことによる影響」という意味があるようです。

過去、何度も世界的大流行(パンデミック)の歴史を経験していますが、なかでも有名なものはスペイン風邪と呼ばれているものです。
1918年に世界中で大流行し、罹患者数は6億人、死亡者は2300万人であったと言われています。
その当時、世界の総人口が20億人位だったことから考えると大変なことです。
このような世界的大流行は、前触れなく、数十年間隔で繰り返すと言われています。
因みに、国や地域の名前が付いた世界的大流行(パンデミック)は、発症した場所ではなく、大流行した場所で命名されているそうです。

風邪症候群でも記述したように、ウイルスは自分で繁殖することが出来ず、細胞のなかに侵入し、宿主の細胞の代謝を利用して繁殖します。
自己繁殖できないので、生物と呼べる条件を備えていません。

インフルエンザウイルスはエンベロープという球形の膜に覆われ、表面にはHA(ヘマアグルチニン)とNA(ノイロニダーゼ)と呼ばれる突起を持ち、感染する細胞へ侵入する際にはHA、感染した細胞から排出する際にはNAを利用しています。
抗インフルエンザ薬の多くはノイロニダーゼ阻害薬で、感染した細胞から出て行くことを阻止する働きを持った薬です。

最近は、作用機序が異なる新しい抗インフルエンザ薬が登場しています。
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤です。
インフルエンザが感染した細胞の中で、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害することで、ウイルスが増殖するために使う酵素を抑えます。
ウイルスのmRNA複製段階で複製を阻害するため、ウイルスが増殖できない状態にする効果があります。
1回の投与で効果を発揮しますので、使用法も簡単ですし、抗ウイルス効果も高いと評価されています。
しかし、ノイロニダーゼ阻害薬に比べて、薬剤耐性ウイルスを作り易いとも言われるため、投与する方も使う方も注意が必要かも知れません。

インフルエンザ感染の予防として、最も有効な対策はワクチンです。
その年に流行するであろうと予測されるウイルスの型を、渡り鳥から予測し、生産されます。
現在、生産されているワクチンは、4種のウイルスに対応し、A型が2種類、B型が2種類含まれています。
ワクチンには大きく分け、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。
生ワクチンとは弱毒化した抗原で、不活化ワクチンは病原性をなくした抗原です。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので、接種によって発病することはありません。

副反応は、5~6%の確率で起こります。
倦怠感や微熱を感じる場合もありますが、主な副反応は、接種した箇所の局所反応です。
接種した部分の発赤・腫脹・発熱を起こすことがあります。
接種した部分の熱や腫れが気になる場合は、冷やして経過をみるのが良いでしょう。
若し、症状が酷ければ医療機関へ連絡することをお薦めします。

接種後、抗体が出来るまでに要する時間は、2週間程度と言われています。
また、感染を予防する抗体価を維持出来る期間は、大体5ヶ月位であろうと考えられています。
例年、インフルエンザの流行期は12月上旬から中旬以降、翌年3月頃までです。
予防接種を受けるとすれば、早いほうが良いでしょう。

!このページのコンテンツは全て医学博士 安部英彦・院長 医師 安部公崇の監修に基づいて執筆・制作されております。